経験の浅い人が現場に入ると、「コミュニケーションを取ってみて!」と言われることが多いと思います。
私も経験の浅いスタッフや学生が実習に来たら、まずはコミュニケーションが円滑に行なえるかどうかを観察しています。
当然、相手の利用者の特性を理解した上でないとコミュニケーションは取ることができません。
一方的にこちら側が喋るのはコミュニケーションではありませんよね??
送り手と受け手が共にメッセージを伝えて、お互いのことが理解できてはじめてコミュニケーションが成立したと言えるのです。
今回は、基本に戻り、なぜコミュニケーションがそんなに重要なのかもう一度考えていきます。
介護の基本は意思疎通からが重要だからか
例えば、寝たきりの利用者のおむつ交換をするとします。
急に部屋にスタッフが入り、いきなり衣類を脱がしておむつ交換をしたのでは、相手の意思が全くわからず、介護する側が一方的に行なっているだけになりますよね?
特に利用者の身に触れるときは、コミュニケーションとして相手との意思疎通を図りながら、介護をしていいか了解を得る必要があります。
自分だって、入院したとき、急に看護師がベッドまできて何も言わず一方的に身体に触れられると嫌悪感を示すと思います。
利用者もそれと全く同じなのです。
コミュニケーションを通して意思疎通をしなければ介護は始まらないのです!
相手のことを理解するための手段として重要だから
特に施設に入所される利用者は、24時間を施設内で過ごすと思います。
入所前に多少の情報はありますが、日々のコミュニケーションの中から新たな情報を入手することだってあるのです。
例えば、仕事は会社員として長年働いていたという情報があったとします。それを前提としてコミュニケーションを取っていくうちに、
「具体的にどのような仕事をしていたのか」
「その仕事が生活の中で活かされているのか」
「本人にとって誇れる仕事なのか」
など理解できることによって、その後の支援に関わるので、利用者のことを深く理解するうえで、コミュニケーションは重要なのです!
メッセージを伝える手段として重要だから
メッセージと聞いてなにを連想しますか?
メッセージは会話の中での言語だけではありません。
コミュニケーションには言語以外も使って伝える必要があります。
そうです、非言語コミュニケーションと呼ばれるものも重要となります。
例えば、
優しく微笑む
利用者の手を握る
肩を揉んであげる
などの言語以外もコミュニケーションに含まれるのです。
よって、それらも活用しながら、相手にメッセージを伝えたり、逆にこちらが受け取ったりする必要があるのです!
まとめ
私が若い頃に先輩に言われた言葉があります。
「コミュニケーションを勝手に取った気になっていないか?」
「自分が一方的に喋るのはコミュニケーションではない!」
「コミュニケーションを通して意志の疎通はできているか?」
というようなことです。
実はコミュニケーションは介護の基礎なのですが、とても難しいことなのです。
コミュニケーションを軽く見ていたら、その後の信頼関係が簡単に崩壊する恐れがあります。
コミュニケーションはとても重要であることを再認識して、今後も取組んでみて下さい!