特別養護老人ホームなどの重度の利用者の介護をする現場では、医行為は避けては通れないことで、原則看護師が行なうようになっています。
医行為といっても、実際には「そんなことも医行為なの?」と思うようことも多く、ついつい介護福祉士でもやっていたケースもあるのではないでしょうか?
介護と看護の役割分担は明確にしながらも、法的に可能なことは決まりごとを厳守した上で、正しく実践する必要があります。
今回は、法的に介護福祉士な行なえる医行為についてお話していきます。
介護福祉士が研修を受ければ「たん吸引」と「径管栄養管理」が可能に!
以前は介護福祉士の資格を所持していても、この二つの行為はしてはいけませんでした。しかし、近年の利用者の重度化と看護師の負担軽減を目的として、介護福祉士でも研修を受ければ実施が可能になったのです。
しかし、勘違いをしてはいけないことは、看護師がどうしても実施できない状況にあるときのみなのです。
例えば、夜間看護師が不在の場合、たんが絡んでいる利用者をそのまま放置しておくことはできません。なんとか、その状況を改善したい時に対応ができるのです。
また、実施した時には看護師との連携も必須であり、詳細の連絡も忘れてはいけないのです。
看護師に代わってできるようになったと、考えるのではなく、看護師の指示の基、連携を取りながら行なうように考えている必要があります。
介護スタッフがしてもいい主な医行為9つ
日常生活に必要とされる医療的な行為は介護スタッフでも可能となっています。
①体温測定・血圧測定
②バイタルサインのチェック
③軽い怪我の処置
④薬の投薬等
⑤爪きり
⑥口腔ケア
⑦耳掃除
⑧人工肛門(ストマ)の排泄物の除去
⑨浣腸 (条件があります)
主にこのようなものがあります。但し、これらに該当すれば、全ての行為を行なっていいという事ではありません。
例えば、爪きりですが、巻き爪になっており簡単に切ることができない状態の爪や、化膿している場合など、通常の爪切りではなく一定の配慮を必要とうする場合は、看護師が行なわなければなりません。
実際の現場では、医行為と医行為でない場合の区別がしっかりついてなくて、ついつい介護スタッフがしていることも多いようです。
しかし、知識として十分理解しておく必要があるのです。
医行為をする上での留意点
まず、命に関わる可能性のある「吸引」と「径管栄養管理」は数日間の研修によって、みっちり教育を受けることになるので、現場に戻った後はしっかり実践できるように努めるのみです。
介護スタッフが行って良い医行為については、看護師との連携は必要不可欠です。例えば、実施の前後に声を掛けたり、トラブルがあったときに迅速に医療との連携が行なえるようにシステムの構築も大切です。
また、職場内研修も重要です。普段のケアに加えて行なうわけですから、働き始めて間もない職員は精神的にもストレスを受けることになります。
先輩や看護師から指導を受けて、施設として一定のレベルを確保する必要もあるでしょう!
まとめ
介護と看護の役割分担をしっかり理解した上で、介護でも医行為を行なう必要があります。例えば、看護スタッフに十分に時間があるのであれば、全てを介護スタッフに丸投げするようなことは、絶対にあってはいけません。
介護の看護の連携を図りながら、事業所(施設)として適切なケアが行なえるように取組んで下さい!
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