高齢者介護の分野において、認知症の利用者への適切な対応は必須条件となります。私の勤務する特別養護老人ホームでも9割以上の人が認知症の診断を受けています。
勿論、その中には軽い物忘れ程度の人がいたり、重度の認知症の人がいたりと様々です。しかし、現場で働く介護福祉士には認知症の利用者に対しての統一処遇は言うまでもありません。
今回は、普段から接することが多い、認知症の利用者をケアする際に、気を付けておきたいポイントをご紹介します!
自分自身を知る
人間それぞれ性格が違うのは、介護福祉士でも同じことです。それは、育った環境や習慣、文化の違いなどから当然のことだと言えるでしょう。
認知症の利用者が排泄の失敗をしてしまった時に、介護福祉士のAさんは微笑みながら「大丈夫ですよ」と言う場合もあれば、Bさんは「また、失敗したのね・・・」と違う言動となる場合があります。
この2人は他人が見ると違いは一目瞭然なのですが、当人達はその違いに気が付きにくいものなのです。
同じ事業所内で、介護職によって言動が違えば、認知症の利用者は混乱してしまいますよね。だからこそ、統一処遇は大切なものであり、全職員が同じような対応ができるようにする必要があるのです。
そのための第一歩として、自分自身を客観的に見つめて、自分の言動のクセや考え方について知る必要があるのです。
周辺症状には意味があることを理解する
周辺症状は以前、問題行動と言われていました。不潔行為、収集癖、作話、暴言暴行、異食行為なのがこれに当てはまります。
これらの症状が認知症の利用者に現れたとき、介護職はどのように思うでしょうか?
正直、「なんでそんなことするの!?」と怒りたくなる気持ちもあるでしょう。そのような気持ちが芽生えるのは人間だから仕方がないことです。
しかし、介護福祉士ならこの段階で終わってはいけません。それらの行為にはかならず意味があることを理解し、アセスメントし支援に結びつける必要があります。
例えば、オムツをしていて便を手で触っていたとします。手や衣類が汚れて確かに不快に感じるでしょう。しかし、そのようなことをするには意味が必ずあります。
この場合、あまりにも臀部に不快感があったので自分でなんとかして排除しようとしたのかもしれません。理由を予測したら、今度をそうならないように実践します。
おむつ交換のタイミングを早くしたり、下剤のコントロールを検討することになります。
一番辛いのは介護者でなく利用者自身
自分のモノが無くなったといい、必死に探している認知症の利用者がいるとします。
職員は「無くなってなんかないのに探している・・・」と思うかもしれません。または、このような行為が頻繁にあれば「また言っている・・・」と思うこともあるでしょう。
こんな時、モノが無くなってしまったという不安に陥っているのは、認知症の利用者本人であり、一番辛い想いをしているのです。
何度も何度も繰り返しの行動であっても、一番辛いのは利用者本人であることを理解して、その不安を和らげる支援をするのが介護福祉士なのです。
まとめ
施設の利用者は、認知症の利用者が非常の多いのが特徴です。
自宅では適切な対応ができなくても、プロの集団である介護施設であれば、家族も安心して任していることでしょう。
そのような気持ちを裏切らないために、介護福祉士は認知症の利用者に対して適切な支援を行い、安心した生活を送ってもらえることが求められているのです!
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