介護する利用者が高齢者である場合、介護士側は若くて元気な人と同じ要領で話していてはいけません。
身体的に機能の低下があるのは勿論、人生の先輩である利用者に失礼のない態度で会話をする必要があるのです。
今回は、会話をする際にどのような点について身体的機能の低下を意識しなければならないのか。
また、相手を尊重するような会話についてもご説明します。
基本はゆっくり大きな声で!
高齢者の身体的な低下と言えば、耳が遠くなり、物忘れが多くなり、目が見えにくいという一般的な加齢現象があります。
利用者と会話をする際も、このことを十分理解しておく必要があります。
学生や新任職員に、利用者にはゆっくりおおきな声で喋るようにと伝えても、それがすぐ実践できる人はほとんどいません。
友達と話をするような感覚では、しっかりと相手に伝わりません。
さらに、利用者は聞こえてないけど、気を使って聞こえている振りをして、うなずくこともあるので、意思疎通が上手く図れないことも少なくはありません。
もうひとつアドバイスさせて頂くのなら、なるべく低い声で話してみて下さい。
高齢者は高い声から聞こえなくなるのが一般的です。
低い声のほうが聞こえやすいとされているのです。
言葉だけでなく身振り手振りも含めて、表情も豊かに!
会話とは言葉だけではありません。
相手に自分の感情を理解してもらうようにするために、身振り手振りも大げさなぐらいの方が、伝わりやすいでしょう。
例えば、利用者がなにか言ってそれに対して返事をする時でも、「あ~、そうですか」と言葉だけで反応するよりも、少し大げさに顔の表情を変えたりするだけでも相手の受け取り方は違ってくるのです。
また、相手が困っているようなことを訴えてきたときなども、それに同調するようにこちらも表情を少し曇らせてあげると、自分の気持ちを理解してもらっていると感じてくれるでしょう。
利用者と対等な立場で!
経験が浅い、長いを問わずこれができていないスタッフが多いです!
利用者が車椅子の場合、介護士側は立ったまま話をしていませんか?
これでは、上から見下ろすような形になり、相手にとって非常に失礼なことになります。
また、ベッドで横になっている利用者に対して、そのまま腰を降ろさずに話すことも失礼に当たります。
必ず、相手との目線を合わすようにして、必要に応じて目線が同じようになるように自分が動かないといけません。
もし、自分が入院した時、看護師がベッドの横に立って一方的に話してくるより、腰を降ろして目線を合わせて話してくれる方が、なんだか優しい気持ちになれませんか??
まとめ
まず、大事なことは、大きな声でゆっくり話しながら、できたら低い声にすることです。
これが実行できなければ、こちらがいくら喋っても、相手に伝わっていないことが考えられます。
さらに、自分の感情も伝えるために表情等にも変化をつけながら、相手と同じ目線になるように会話をするようにしましょう。
これで、信頼関係ができて意思疎通が完璧に図れるかと言えば、まだまだだと思います。
しかし、今回ご説明したことは、会話をする時に基本となる重要なことなのです!
しっかりと理解して実践できるようにして下さい!!