介護の現場では慢性的な人手不足ですね!?特に介護のメインになる、介護スタッフ(介護福祉士)の人材不足は深刻で、常に求人募集をしている事業所も珍しくなく、都市部では人材不足が原因で倒産するところもあります。
賃金が低いことが人手不足の原因とも言われていますが、実際にはそれだけなのでしょうか?
今回は人手不足の原因に迫っていきたいと思います。
規模が小さい事業所が多い
介護関連の事業所は全国各地にかなりの数があります。しかし、その大半は規模が小さくて経営が不安定な事業所が多いのです。
例えば、デーサービスで考えてみましょう。新規開設するために、初期費用は比較的安く、介護福祉士を持っていれば、簡単に始められます。
正規雇用は2~3名で他はパートやアルバイトでやり繰りしているところが多いと思います。実際に、私の知人の中でも、何人も独立してデイサービスを開設しています。
規模が小さくて経営が不安定だと、人件費を削減することになります。特に賞与はゼロか、それに近いところばかりのようです。
このような事情ですので、全国的に事業所の数は多くても、そこで働く人が不足することになるのでしょう。
介護スタッフで終わるのがほとんど
介護福祉士を持って、介護スタッフとして働くようになっても、それ以上の仕事をできずに退職する人がほとんどです。
例えば、今やケアマネジャーなんて合格率が1割です。必死に勉強しても不合格になる人は星の数ほどいるのです。10名の介護スタッフがいたとすれば、ケマネジャーの資格を取得して、ケアマネジャーとしてレベルアップ、スキルアップできるのはわずか、1名なのです。
そうなれば、残りの9名は、安い賃金で出世もせずに50代、60代となり、モチベーションが上がらず、退職に追い込まれるケースもあるのです。
頑張れば給与が下がるケースも・・・
先ほどの話の続きのようにもなりますが、介護福祉士が努力してケアマネジャーの資格を取得したとします。すると上司の命令で、業務自体をケアマネジャーの仕事をするようになるケースもありますね?
この時、給与がアップするかというと、そうとも限りません。
それは、夜勤をしないため手当てが付かなくなるからです。ケアマネジャーとしての資格手当てがある場合もありますが、夜勤手当を埋められるほどはないのです。
このように先が見えるようになれば、介護という仕事そのものに魅力を感じずに退職していく人が後を立ちません。
身体を壊しやすい
職業病ともいえる腰痛には、多くの介護スタッフが悩まされています。介護の仕事を始めた頃は、体力的に大丈夫でも年月と共に疲労が溜まり体力も落ちていくのが分かります。
最悪の場合にはヘルニアになり手術をすることもありますが、職場がその後の生活の面倒を見てくれるわけではなく、結局は自分の身は自分で守らなければならない状況になるのです。
その結果、離職へと追い込まれるケースもあるのです。
まとめ
政府は介護人材の人手不足について考えているようですが、本質的のものが分からなければ、改善されることはないと思っています。
「介護現場の声!」といっても、せいぜい事業所(施設)の施設長や理事長クラスであり、現場で汗水流して働いているスタッフではありません。
現場に密接した職種からの意見を政策に反映しなければ、人手不足の解消は難しいと私は思っています。
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