介護福祉士が活躍する場所は様々ですが、看取りケアに関わる場合もあります。私の場合は特別養護老人ホームで働いていますが、8~9割の人が施設で亡くなられて退所となります。
家族からすれば、最期まで介護をしてくれる特別養護老人ホームのようなところは、とても頼もしい場所でもあります。
しかし、最期をただ見ているだけでは、「看取り」にはなりません。
介護福祉士として正しい知識で看取りケアをする必要があるのです。
身体の異変にいち早く気付こう!
看取りの段階になると、身体に様々な影響が出てきます。食事の摂取状況、排泄物の異常、呼吸状態などです。
普段からその利用者の生活に関わっている介護福祉士なら、異常時の様子にいち早く気付いて看護との連携を図る必要があります。
呼吸はどうでしょう・・・
大きく息をしていたかと思うと、次第に浅く早くなり、必死に体内に酸素を取り入れている様子が分かります。
足先や指先はどうでしょう・・・
チアノーゼといって、紫色になっていきます。身体の先端まで酸素が運ばれなくなっていることが分かりますね。
尿はどうでしょう・・・
異常に濃かったり、全く出ていなかったりします。やがて血圧は測れなくなり、脈も触れなくなります。
看取りに段階に入ると身体に変化が出ることをしっかり抑えておく必要があるのです!
最後まで希望に添えるような支援を!
看取りケアとは、死を見届けることではありません。最後まで、そのひとの可能性や希望に叶えられるように、ケアする側も努める必要があります。
私の知っている施設では、末期がんの利用者から、何十キロも離れた場所の故郷をもう一度見たいという要望があり、スタッフが車に乗せて連れて行ったこともあるそうです。
最後の最後までその人の希望に添えるケアをすることによって、その人の人生を全うできるように支援することも求められているのです。
家族やスタッフなど多くの人に見守られながら・・・
いよいよ死を迎える直前となるとき、スタッフや家族は最後まで寄り添ってあげられるでしょうか?
「気が付いたが誰もいない居室で息を引き取っていた・・・」
なんてことはあってはならないことです。
介護スタッフだって、確かに忙しい毎日を過ごしています。しかし、看取りの段階であることを分かっているのに、だれにも見守れないまま最後を迎えるようなことは避けるべきです。
可能な限り多くのスタッフや家族に囲まれて最期を迎える支援ができないと、看取りケアとは言えません。
まとめ
人生の最期の場面に触れられことは、人間誰もができることではありません。私の施設では年間15名前後の利用者が亡くなられます。家族の悲しみにも触れることで、
「生きるとはどういうことか」
「最後まで人生を歩むとはどんな価値があるのか」
考えさせられることがあります。
残された遺族はとても辛いので、そちらの精神的ケアまで介護福祉士としての役割もあることを忘れてはいけません。
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