介護スタッフとしての経験が浅い人は「尖足」(せんそく)を聞きなれない人も多いと思います。
尖足とは、足首がのびたまま固まった状態の足のことです。新体操選手がつま先で立つような状態に常になっています。
尖足になると、足の裏が地に着かないため、自分の体重を支えることができずに、不安定な姿勢になってしまいます。
車椅子の利用者が尖足になってしまうと、しっかり座面に座ることができないのです。
なぜ尖足になるのか?
主に活動性が低くなると一気に尖足が進行する場合があります。
自分の意思で身体を動かすことができないと、足首も動かすことがなくなり尖足になります。
更に、布団の重みで足首が伸びたままになり、自分で動かすことができなくなります。
足首を動かさないで、伸びたままの状態が続くと、足首の関節の動く範囲(関節可動域)が狭くなり、伸びた状態で固定され尖足になるのです。
身近なところから予防
尖足は予防することができます。
例えば、ベッドで横になっているときは、足首の角度を90度ぐらいにして、そのままクッションで固定します。
体位変換の都度の固定に加えて、介護スタッフが気付いたときに、クッションの位置を治せばいいでしょう。
また、「フートボード」と呼ばれる福祉用具もあります。これは、足首の角度を固定してべッドで横になれるものです。これがあると便利ですね!
椅子に座る機会を増やす
ここまでの説明でご理解していただけたと思いますが、横になっている方が尖足になるリスクは高くなります。
そこで、ベッドから離れて過ごす習慣をつけて、足の裏がしっかりと地に着くようにすることが大切です。
その時大切なのが、靴のサイズと車椅子のフットレスト(フットサポート)の高さです。
靴は本人の足にしっかりと合うものを選んで下さい。そして、フットレスにしっかり足の裏が接着するように支援して下さい。
時間が経過すると、フットレストから落ちる場合があるので、こまめに観察してあげましょう。
リハビリも有効的
作業療法士や理学療法士が直接リハビリをしてくれるのなら、それに越したことはありません。
しかし、私達、介護スタッフでも簡単なリハビリを行なうことによって尖足は予防することができます。
主に車椅子に乗っているときに、足首の曲げ伸ばしを行なって下さい。
時間は3~5分で大丈夫ですので毎日行なうことが大切です。
まとめ
尖足は一度なってしまうと治らないと思って下さい!
高齢になり、活動性が低下するとリスクはどんどん高くなりますが、私達介護スタッフによって防げる方法もあるのです。
尖足になってしまうと、生活の質(QOL)が一気に低下するので、利用者にとってもマイナスです。
出来ることから予防しましょう!