介護の現場でよく使われる言葉で「利用者本意」とか「利用者が主体となった介護」というものがあります。
人間は日常生活のなかでも、様々な場面で物事を選んだりして生きています。
しかし、この行為は高齢者の場合、ついついそうした当たり前のことが出来ない状態に追いやられることがあります。
私達介護福祉士は、そのようなことがないように、利用者主体の介護を展開していく必要があるのです!
今回は、なぜそこまで利用者主体の介護が求められるのか3つの理由をご説明します。
自分の行動は自分で決めるのが本来の姿
人間は生まれて間もなく、自分の意思を持ちます。
赤ちゃんを思い出してみて下さい。好きな玩具、好きなお菓子、好きなおかずなど、既に自分の意思で選択していることが分かります。
人間は、自分のこと(行動)を自分で決めることが、本来あるべき姿であり、こんなに小さいうちから行なっているのです。
それは、高齢になっても同じで、自分が自分らく生きていくために、自分の行動を自分で決めることは必要不可欠なのです!
介護スタッフは生活を支援する役割である
介護とは、利用者の全てを取り上げてしまうことではありません。生活の必要な部分だけを支援するのです。
例えば、着用する衣類を選ぶ際に、介護スタッフが作業のような考えで一方的に更衣を行なっていませんか??
ここで、利用者主体とは、着用する利用者にどの服にするか選んでもらうことを指します。
もし、明確に自分の意思を表現できる状態でなければ、2~3種類ぐらいの服を用意して、そのなかから選んでもらうようにすればいいのです。
介護スタッフは生活の支援をするのが役割であり、自己決定権まで取り上げてはならないのです!
生活の質の向上に繋がる
一日が利用者主体でなく、介護スタッフによって作られた流れで生活していたら、どのような精神状態になるでしょう?
何事も考えることをしなくなり、
決められたこと
指示されたこと
を聞き入れるだけになってしまいますし、生活にメリハリがなくなってしまい、やがては意欲の低下まで繋がる恐れがあるのです。
利用者の多くは限られ条件のなかで生活していますので、普段から非常の窮屈な想いをしています。
自分らしく日々の生活を送ってもらい、生活の質を向上させるためには、利用者本意の介護は必要なのです!
まとめ
介護の現場で毎日働いていると、「利用者主体」という事を忘れてしまいそうになります。
これは、特別悪いことではなく、日々の忙しさやストレスのなかで、誰もがおろそかにしてしまいそうになることなのです。
大切なことは、自分自身で定期的に「利用者主体の介護」が出来ているか振り返ってみることです。
なかなか表面化しにくいことなでの、周囲も気が付かず月日が流れることがあります。
「利用者主体」という言葉を思い出せるように、いつも自分を見つめ直せる習慣を身につけておきましょう!