看護と介護の大きな違いは、介護はより利用者の生活にスポットを当てて支援をすることです。
介護という行為は、人間の自然の生活の中で行なわれるものです。それが、自宅であるか、施設であるかによって違いはありますが、生活での介護は決して切り離せない密接な関係にあります。
今回は、利用者が生活のなかで、いかに溶け込んで生活をするのがいいのか、どのようなケアをすればいいかご紹介していきます。
自分らしさ表現し環境整備を心がける!
自宅で生活されている人が、施設に入所するようになったとします。施設への入所となれば生活の拠点を移動することなので、引越しと同じことなのです。
引越しをするとき、みなさんどのようなことをするでしょうか?
例えば自分の部屋があれば、自分の好きなアイドルのポスターを飾ったり、趣味で作った手芸作品も置くこともあるでしょう。更に、音楽が好きなら音楽プレイヤーやテレビだって置くでしょう。
このように、私達は自分が生活しやすい環境、馴染みのモノに囲まれた環境にすることにより、精神的に安心すると思います。
これは、認知症がある高齢者でも同じで、可能な範囲で自分らしい環境を整えていくことが介護福祉士として求められています。
環境の変化は精神的負担!?
田舎の両親を都会の子どもの自宅に呼んで生活を始めた途端、認知症の症状が出た、または認知症が進行したという話を聞いたことは無いでしょうか?高齢者の特性の一つとして、環境の変化に弱いことが挙げられます。
自宅から施設に入所する時も同じで、施設に入所するというだけで、利用者はかなりの精神的負担となるのです。新規入所に利用者に転倒や転落の事故が多いのは、それが原因にあると私は思っています。
施設に入所するということは、それだけ精神的不安定になり混乱を引き起こすことを念頭に置いて、ケアをすることが私達介護福祉士に求められているのです。
生まれて今日に至るまでの生活歴を知ろう!
自分の事業所を利用するようになってもらったら、その方の生活歴を把握しておくようにしましょう。
故郷はどこなのか、趣味や特技はあるのか、出産の経験は、戦争に行ったのか・・・・などその人の事を知ることによって、日常的な会話も話を弾ませることができるのです。
私の場合、家族構成を完全に把握しておくようにしています。例えば、一番頼りにしている長男の名前と住所を知っておけば、もしその利用者が認知症で精神的に不安定になったとき上手く対応できるのです。
「私は息子さんの〇〇さんとお友達です、今日はこちらで過ごすように言われているので休んでいきましょう・・・」こんな具合に声掛けをするのです。
それに対して利用者は「あ~そう、息子から連絡があったのね・・・」と安心してもらえるのです。
まとめ
介護は生活の場面で支援をします。病院の看護は医療の現場で支援します。そのふたつの違いをもう一度振り返ってみて下さい。
利用者の生活に寄り添うことによって、生活支援できる方法も多様になり、介護職にとっても利用者にとっても質の高いサービスとすることが出来るのです。
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