介護の仕事はつい感情的になってしまうこともあります。それでも、平常心で勤めるのが介護としてのプロであり、介護福祉士として有資格者の力の見せ所です。
では、介護させていただく立場として、どのような気持ちで利用者と向き合えばいいでしょうか?どんな状態でも、こちらの接し方が違えば、利用者の反応も変わってきます。
今回は、利用者を介護する際に大切な心構えを話していきます!
認知症の人の心理を理解し実践する
施設を利用している高齢者の中には、認知症となっている人がいます。認知症の原因は様々ですが、自覚症状がない場合がほとんどなのです。
日常的に介護や看護に携わっているスタッフからすれば、認知症特有の症状(周辺症状)に対して、なかなか理解を示すことができない場合もあるでしょう。
例えば、施設内をウロウロと歩く姿を見かけます。このような症状を以前は徘徊と呼んでいました。酷い時は、施設の中から飛び出して、外に行くこともあるのです。
一見、歩くことそのものに意味はなく、無駄な行動をしているように見えるでしょう。しかし、ウロウロと歩く行動そのものには、本人なりに目的があるのです。
子どもを探して歩いたり、自宅に戻って食事の準備をしようとしている場合もあるのです。認知症の症状には本人なりに理由があることを、介護する側は理解しておく必要があります。それを踏まえて実践できることが、真のプロであるのです。
人生の先輩であることを最大限配慮する
介護を仕事にしようとすることは、私は素晴らしいことだと思います。
しかし、普段から高齢者に関わることによって、初心を忘れてしまい、ついつい介護する側の考えを押しつけたり、言葉遣いが悪くなることはないでしょうか?
そんな時は、私は「高齢者は人生の先輩である」ということを思い出しています。
施設を利用している高齢者の中には、戦争を経験した人、戦後の焼け野原から復興してきた人、本当に苦労しているのです。
そのような苦労があるからこそ、日本はこんなに豊になったのです。敗戦した日本を誰が、ここまで復興すると思ったでしょう。
今の高齢者は人生の最大の先輩であり、この人達がいないと、今の日本はなかったことを今一度思い出して下さい。
そうすると、自然に利用者に対して尊敬した気持ちで接することができるはずです。
介護しているではなく、介護させてもらっている精神で!
人間の人生の後半部分で、私達介護職が「介護」という立場で関わらせてもらっているということは、とても素晴らしいことです。
生まれてきた赤ちゃんは一人では何も出来ません。親が保育をして育てていきます。
それは、人生の後半でも同じで、人間が人間の最期を締めくくるという場面に携わることができるのが介護職なのです。
利用者の手を見て下さい。昔、苦労した人はそれが手に現れています。戦争を経験した人は足がない人もいます。そのような個人の歴史を肌で感じることができるのが、私達介護職なのです。
決して介護を頼まれてしているのではないのです。介護をさせてもらっていているのです。
ほんの一瞬でも、日常の介護において、このような意識があると、利用者に対しての感謝の気持ちで関わることができて、それが言動に現れてくるものだと私は思っています。
まとめ
介護職として働いて数年が経過する人、まだまだ経験が浅い人、どんな人にも今回のお話は参考になると思います。
心のどこかでは、なんとなく理解しているつもりでも、それを踏まえて実践できないと、意味はありません。
色々なタイプの利用者がいると思いますが、みなさんに当てはめて考える事ができことがこの3つの接し方のポイントなのです!
介護という仕事にプライドを持ち、プロとしての力を発揮して行きましょう!
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