介護現場でなんとなく1日仕事をして、時間が来たら退勤する・・・これでは、施設全体的な質の向上にはなりません。
勿論、トップが明確な指針を示すことは大切ですが、介護の現場からでも課題を明確にすることによって、ケアの向上に繋げることができるのです。
今回は、介護福祉士としてどのようにすれば現場での課題が見えてくるのか、3つの方法をご紹介します。
自分を客観的に見る工夫を!
自分が普段から行なっているケアって、本当は正しい方法なのでしょうか?例えば、車椅子からベッドへの移乗の際、利用者と介護者の距離感、力の入れ具合、身体の位置など、ケアする本人が確認するのは難しいこともあります。
自分では正しいつもりでケアしていても、間違った方法でケアしており、結果的に利用者の負担になっている場合もあるのです。
そんな時は、同僚に協力して自分を客観的に観察する方法をおすすめします。私の知人は、自分の動きを見るためビデオカメラで撮影したという話を聞いたことがあります。
しかし、そこまでするのは大変ですので、自分がケアする際に、同僚に写真を撮影してもらい後から自分で確認するのがいいです。
先ほども例を出しましたが、移乗の際に力の入れ方が不自然だと、しっかり写真で確認することができます。また、普段は見えない利用者の表情も確認できるでしょう!
利用者の特性や疾患に合わせたケアができているか話し合いを!
利用者一人ひとりを観ていて分かると思いますが、誰一人として同じ人はいませんよね!?糖尿病を患っていても、網膜症になるほど悪化して人もいれば、薬で十分コントロールできている人もいます。
糖尿病の人・・・
全盲の人・・・
右片麻痺の人・・・
などと全てをひとくくりにして考えていては、個々の課題を明確にすることはできません。
念のため、確認しておきますが、基本的な知識は大切です。しかし、現場では特性や疾患に対応するケアをするのではなく、個人として対応していき、誰一人として同じ利用者は存在しないことを常に念頭に置いておきましょう。
そして、意識の統一を図るためにスタッフ全体で話をしてみることが大切です。
家族からの情報も重要!
利用者の長い人生の中で、介護スタッフが関わる場面はほんのわずかです。
例えば90歳の人に対して介護スタッフが関わるのを5年とします。残りの何十年という時間は過去のことであり、スタッフがどんなに努力してもその過去を知ることはできません。
そんな時は、家族からの情報が重要になってくるのです。利用者の若い頃の好きな音楽、苦手な食べ物、趣味や特技、戦争に行ったことはあるのか、どんな仕事をしていなか・・・・。
なるべく利用者の過去にも焦点を向けると、自然と課題も見えてくるのです。「今」という時だけにとらわれず、利用者の過去の情報を得るようにすれば、質の高いケアに結びつけることができるのです。
まとめ
「仕事は見て覚えろ!」なんて職人が言うようなことは介護現場では通用しません。
介護の基礎となる技術と知識を抑えた上で、ケアの向上を図るために、利用者個人の課題を明確にして介護スタッフ全体のチームとして取組む必要があります。
今回ご紹介した3つのことは、すでに実践されている人もいるかもしれません。もう一度確認するきっかけになればと思います。
コメントを残す